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一般社団法人設立を発表した(左から)細井裕司・県立医科大学長、塩崎一裕・奈良先端大学長、山下真知事=2025年1月27日、奈良県生駒市の奈良先端大、伊藤誠撮影

 奈良先端科学技術大学院大学(奈良県生駒市)と県立医科大(同県橿原市)は27日、一般社団法人奈良先端医工科学連携機構を設立したと発表した。文部科学省が認定する「大学等連携推進法人」をめざすためのステップで、大学間の連携を強化し、次世代の医療や社会福祉に貢献するねらいがある。

 両大学は2009年3月に相互協力に関する包括協定を締結。これまでの教育研究交流を基盤に「医工連携」を拡大していく。同機構の略称は「MSTeC NARA」(エムステック なら)。奈良先端大の塩崎一裕学長が同機構の代表理事、県立医大の細井裕司学長が副代表理事に就任した。

 大学等連携推進法人は、国公私立の枠を超えた複数の大学が、人的・物的資源を共有して教育研究を充実させるのが目的。18歳人口の減少やグローバル化が進むなか、社会のニーズが多様化していることなどが背景にある。現在、全国で8法人が認定されているといい、同機構は近く文科省に申請する。

 認定されれば、両大学共同の科目開設のほか、研修や産学連携窓口なども共同化できるメリットがある。

 この日、奈良先端大で記者会見した塩崎学長は、「本学の科学技術研究を医学、医療に実装することを目指す。機構をイノベーションのプラットフォームとして活用したい」、細井学長も「医工の融合で命を助ける方向性は多くの人が興味をもつだろう」と述べた。また、出席した山下真知事は「奈良の産業力強化につながる」と期待を寄せた。

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